予防歯科
予防の大切さ・定期検診
予防歯科は、健康な歯を維持していくための医療です。
かつて、歯科医院は歯が痛くなれば行く場所でした。
しかし、今では定期的に来ていただき、予防をする場となりました。
「毎日、歯みがきをしている」と思っていても、どうしても磨き残しはあり、その汚れが虫歯や歯周病の原因になります。
気がつかないうちに進行する歯周病や虫歯の発見のためにも、3か月から半年に1度は定期検診を行うことをお勧めします。
クリーニング、PMTCの概要、流れ
虫歯や歯周病の原因となる細菌は、歯と歯の間や、歯と歯が重なった部分に潜んでいる場合があります。
そういったご自宅での歯みがきでは落としきれない細菌を落とすのが、歯のクリーニングです。
定期的にクリーニングをお受けいただくと、お口の中を清潔に保てるので、歯周病の予防になります。
また、歯自体が強化されるので、虫歯にもなりにくくなります。
歯のクリーニングの流れ
① 歯と歯の隙間清掃 | ② ペーストの塗布 |
---|---|
③ 歯の表面のクリーニング | ④ 歯の表面のツヤ出し |
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシの使い方
歯ブラシの種類、歯みがきの方法は年齢や目的(虫歯予防か歯周病予防か)によって少し異なります。
(詳細は当院にご相談下さい)
虫歯や歯周病の予防をするための歯みがき方法の基本は、「プラーク」と呼ばれる歯の表面についた汚れをきれいにすることです。ただ、やたらめったらに歯ブラシで歯をこすればいいというわけではありません。
プラークがたまりやすい場所を集中的にきれいにすることが効果的です。
プラークは歯と歯ぐきの境目や歯の隙間の部分に多くたまります。
歯ブラシの方法
代表的な歯ブラシの方法としては「スクラビング法」と「バス法」があります。
スクラビング法
「スクラビング法」は、歯に対して歯ブラシを垂直に当て、細かい横磨きを行う方法で、プラークの除去効果が高い方法です。力加減が難しく、強く当てすぎると歯ぐきを傷つけることもあります。
バス法
次に「バス法」は、歯と歯ぐきの境目に対して45度の角度で歯ブラシを当て、小刻みに振動させる方法です。
歯周病の予防に主に使われる方法ですが、角度や強さなど少し難易度が高い方法です。
歯みがきで落としきれない汚れを落とす補助用品
歯と歯の間にもプラークはたまります。
歯と歯の間は歯ブラシが通らないため、歯みがきに補助的に用いる用具もあります。
歯と歯の間の狭い場所には「デンタルフロス(糸ようじ)」を用い、広くなった場所には「歯間ブラシ」を用います。どちらも市販の物が数多く販売されいますが、使用方法について難しい点もあるため、少なくとも1度は清掃指導を受けてから使用して下さい。
デンタルフロス
歯間ブラシ
歯磨きのタイミング、頻度、その他予防のためにできること
歯みがきのタイミングは、毎食後…と言いたいところですが、
日常生活の中でなかなか難しい方も多いと思います。
食べかすがお口の中に残ることによって口臭の原因となったり、
徐々にプラーク(細菌の塊)に変化したりすることを考えれば、
やはり食後には何らかの口腔清掃を行っていただきたいものです。
虫歯や歯周病の予防を考えると、一番歯みがきをじっくり行ってほしいタイミングは、やはり「寝る前」です。
唾液には細菌の増殖を抑え、歯を守る作用がありますが、睡眠時はしゃべったり、口を動かしたりすることがほとんどないため、お口の中の唾液の量は少なくなります。
寝る直前にじっくり時間をかけて丁寧な歯みがきを行うのがベストと言えます。
フロスや歯間ブラシなど、出先ではなかなかできないケアは寝る前にしっかり行う(今日の汚れを明日に持ち越さない!!)習慣を身につけましょう。
その場合、日中の歯みがきはエチケットとして必要と思われます。